_dhAtu_
crystal
鉱物
時々、自分は鉱物なんじゃないかと真剣に思うほど、彼らは私にとっては近い存在。鉱物の存在がなかったら、私の人生どんなに味気ないだろう?
■ ラピスラズリ
長い石人生だが(笑)ラピスラズリという石には、なかなか出会いがなかった。いろいろと願望達成アイテムとして出回りすぎたためなのか、どうもピンと来ない。おまけにいろいろなところで見るラピスがエジプトのカルマの匂いをぷんぷんとさせているのでよけい敬遠していたのかも知れない。今年になって出会ったわけだがこれがまた素晴らしい。表面 はカボション裏は原石のままというかなりいかしたカボションである。もちろんアフガニスタン産。おまけにカルマチックなニオイがない正真正銘の天空を切り取ったようなラピスである。ラピスと言うよりは瑠璃といった方がしっくり来る。
この石は、今や私の守護石だ。入手してからずいぶんと長い時間身に付けているし、めずらしく専用の袋まで作ってしまった(笑)。不思議だが確実に私を守ってくれている。まるでファンタジーの中に出てくる魔法の石のように、何か危険があるときは不思議な輝きを見せ、語りかけると明らかに表情を変える。これがラピスが長い間いろいろな世界で珍重され伝説を作ってきたのかも知れない。
2003年の時間をはずした日、ふと思い立って長倉洋海さんの写 真展を見に出かけた。タイトルは「微笑み。」そこに長倉さんが北部同盟の司令官アメッド・シャー・マスードの形見分けに手渡されたというラピスラズリの塊があった。そのラピスをマスードがどうのように所持していたのだろうと思いをはせながら、ずいぶんと長い時間座って眺めていた。その石は深い宇宙の青の中に一本の金色のまっすぐな線が、まるで宇宙に射す金色の神の光のように入っていた。まるで天から贈られた彼の運命が書き込まれているかのようで、なんとも不思議な感じがした。その石に思いや念のようなモノは感じず、ただ潔く誇り高く神の道に生きた1人の男の足跡を残すかのような石だった。そうやってあのラピスらスリは静かに彼の人の足跡を伝えていくのかなと思ったら、私のラピスにも私のブループリントが描かれているのかも知れないなあと、しみじみ感じたのであった。その青写 真、見てみたいような見たくないような・・・・・。
2003.07.25.